特集・インタビュー
2018/02/20

必見!ファンドマネージャーが教える確定拠出年金の運用方法 (前編)

今、ビジネスマンから専業主婦にまで注目されている『確定拠出年金』とは、どのようなものかご存知ですか?

確定拠出年金(DC)は、国民年金、厚生年金など公的年金に上乗せして加入できる、2001年にスタートした新たな年金制度です。

確定拠出年金は、企業型DCと、「iDeCo(イデコ)」と呼ばれる個人型の2種類があります。企業型DCは、これまでの確定給付企業年金などと並び、企業の退職金制度の一つとして取り入れられている制度です。一方、個人型は自営業者やフリーランスなど個人が任意で加入する私的年金で、2017年1月からはサラリーマンや専業主婦も加入できるようになりました。

また、確定拠出年金の特徴は、掛金を自分で運用することです。銀行、保険会社、証券会社など運営管理機関が選んだ、定期預金や保険商品、投資信託といった金融商品の中から、自分に合ったものを選ぶことができます。運用の結果次第では、掛金より多くの給付金を貰えるのが大きな魅力です。

でも、運用の初心者は、どの金融商品を選べばよいのか迷ってしまいますよね。そこで、実際に投資信託の運用を行う「ファンドマネージャー」のお二人に、詳しくお話をうかがいました!

債券運用部 シニア・ファンドマネージャー 兼 シニア・プロダクトマネージャー Aさん

債券運用部 兼 金融リテラシー・サポート部 ファンドマネージャー Bさん

─最近、『確定拠出年金』や『DC』、『iDeCo』という言葉を耳にするようになりましたが、まだ、どのような制度なのか分からない方もいらっしゃると思います。今回は、企業型DCについて教えていただけますか?

A:はい。年金はよく「3階建て」という表現をされるのですが、サラリーマンの場合だと、基礎年金(国民年金)が1階、厚生年金保険が2階、そして企業型DCは一番上の3階にあたります。企業型年金に相当するもので、退職金として60歳になったら受け取ることができます。現在、確定給付企業年金や厚生年金基金に入っている方でも、会社が企業型DCを導入していれば移換できるんですよ。

B:でも、まだ詳しくは分からないという方が多いようですね。国民年金のように強制加入ではありませんし、会社が制度を導入していても、加入するかどうかは自分で選べるところもあると聞きます。僕も個人的に、大学時代の友人から「入った方が良いのかな?」とか、「どうすれば良いのかな?」と、よく相談されますよ。

─まだ、加入に迷っている方もいるようですね。ちなみにおふたりは加入済ですか?

A:はい。入社当時はまだDC制度がなかったので、2001年に制度がスタートした時に、企業型年金から切り替えたタイプです。一旦、退職一時金として貰った後に移換しました。

B:僕は入社と同時に加入しました。その時、半分冗談だとは思うのですが「運用会社の職員として退職する際に負けていたら末代までの恥だぞ」と新人研修のときに言われまして、加入自体に迷いはなかったのですが、プレッシャーはありましたね(笑)

─加入を迷っている方の多くは、自分でお金を運用することに不安を持っているようです。加入前に、どのような勉強をしたら良いですか?

B:勉強ですか? 僕は新人研修の時に、DC制度について書かれた分厚いキットを貰いましたけど、斜め読みしただけですね。制度も分からずにお金を預けるのは嫌でしたので、一応は最後まで読みました。でも、運用については難しく考えなくていいと思いますよ。もし、運用がうまくいかずにお金が減ってしまうのが怖いのでしたら、定期預金も選べますから。

A:最初は「運用ってなんだろう」というごく基本的なことだけ知っていれば十分です。企業型DCは、簡単に言えば、退職金として会社が出してくれるお金を、これまで通り会社に預けておくか、自分で運用してみるかの違いだけですから、手持ちのお金が減るわけではないんです。

B:そうなんですよね。拠出する金額は会社やお給料によってまちまちだと思いますが、積立式ですので最初は誰でも少額からのスタートになります。20年、30年と続けていくのですから、いきなり難しい勉強をしなくても、加入してある程度お金が貯まっていくうちに少しずつ勉強をしても遅くはないですよ。やってみないとわからない事も多いと思いますし。

─加入後は毎日の株価チェックは必要ですか?

B:いえいえ、投資や運用と聞くと毎日パソコンの前で株価をチェックする姿を想像する方もいるかもしれませんが、デイトレードとは全く違いますよ。DC制度は長期運用が前提なので、日々の株価などの値動きを追う必要はないと思います。

─年齢的にはなるべく早く始めた方がいいのでしょうか?


A:運用をするならなるべく早い方が良いですね。複利効果がありますので。元本に運用で得られた利益が足されて、その増えた金額にさらに利益が積み重なっていくわけです。年数を重ねるほど利益が積み重なっていく仕組みなんです。また、投資というのは運用期間が長ければ長いほど安定するというのが一般的な考え方ですから、長期間運用することで負けるリスクも減っていくんです。

B:新入社員に限らず、誰でもすぐに始めた方が良いと思います。最初は少額からのスタートですから、もしも運用して損をしてしまったとしても大した損にはなりませんし、そもそも年金なので60歳までは引き出せないお金ですから、長い期間の中で取り戻すチャンスはいくらでもありますよ。

─確定拠出年金制度を利用して長期運用するデメリットはないのでしょうか?

B:う~ん。強いてあげるなら、60歳まで引き出せないくらいでしょうか?

A:でも、年金だし、むしろ途中で引き出せない方が良いよね。途中で引き出せたら老後資金にならないから、引き出せないことは、むしろメリットだと僕は思います。

─それは良いことをうかがいました! では、初心者は、どのような運用商品を選べばよいか教えてもらえますか?

A:投資を分散させることが大事です。国内株、国内債券、海外株、海外債券をバランスよく組み合わせると理想的と言えます。知識がない場合は、特定の商品に全額を投資してしまうと、負けた時にどうすることもできなくてパニックになってしまうでしょう? でも、この4つをほぼ同じ比率で組み合わせるバランス型にしておけば、何かが失敗しても他でカバーできる可能性が出てくるんです。なるべくリスクを抑えたいのであれば、債券80%、株20%の組み合わせも初心者に向いていますね。知識が付いてきたら積極的に値上がりを狙うものを組み合わせるなど、個別の商品を自分で見直していけばいいと思います。

B:自分で組み合わせるのがよくわからない場合は、最初は複数の資産に投資してくれるバランス型の商品に投資するのも良いと思います。どうしてもリスクが気になるのであれば元本が保証される定期預金を選択することも出来ますよ。

A:ただし、気を付けなくてはならないのは、定期預金もノーリスクではないということです。CPIと呼ばれる消費者物価指数を、毎月、総務省が発表しているのですが、2017年12月は前年同月比で約1%上昇しています。もし、このまま物価上昇率が預金金利を上回っていけば、インフレに負けてお金の価値が目減りしてしまう可能性もあるんです。だから、安心して老後を迎えるためにも、定期預金に預けっぱなしにするより、運用することが大事だと思います。

─お話を聞いて運用の大切さは分かったのですが、具体的にどんな商品を選べばいいかまだ分からないので、もしよろしければ、運用のプロであるおふたりのポートフォリオ(運用資産の組み合わせ)を見せていただけませんか?

A:えぇ、もちろんいいですよ。B君のポートフォリオはちょっと変わっていて面白いですしね(笑)

B:そうですか? 積極的な運用を心掛けているだけなんですけど・・・

さて、おふたりは一体どんなポートフォリオを組んでいるのでしょうか? 現在の運用状況や、さらに詳しい運用方法など、気になるお話は後編でうかがいます!


★今回のワンポイント!
ファンドマネージャーってどんなお仕事をしているの?
 
ファンドマネージャーは、投資家から集まったお金を株式や債券、REIT(不動産投資信託)などに投資します。経済や金融市場を分析し、投資する銘柄や売買のタイミングなどを考え、より大きな運用成果を目指して投資を実行する運用の専門家です。確定拠出年金の対象金融商品である投資信託の運用も、ファンドマネージャーが行っています。

後編もどうぞお楽しみに!!
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