マネーライフ
2018/05/31

ノーベル賞理論「行動経済学」で見直すマネーライフ

(写真=Gunnar Pippel/shutterstock.com)
(写真=Gunnar Pippel/shutterstock.com)
資産運用においては成功することも失敗することもあります。相場は理論どおりに動いてくれません。リチャード・セイラー米シカゴ大学教授が2017年ノーベル経済学賞を受賞して注目度を高めている行動経済学に学びながら、成功する資産運用を考えてみましょう。

行動経済学とは

行動経済学というのは、心理学を応用して非合理的な人間の経済行動や金融市場の動きを解明しようとする経済学です。ダニエル・カーネマン(2002年ノーベル経済学賞受賞)とエイモス・トベルスキーが1979年発表したプロスペクト理論が有名です。

伝統的な経済学では「人間は合理的に行動する」ことを前提として、市場は現時点で利用可能な全ての情報を織り込んで完全に効率的である(効率的市場仮説)という理論を展開してきました。

しかし実際には、人間は常に完全な情報を持っているわけではなく、常に合理的に行動するわけではありません。例えばバブルの発生は、合理的に説明できない価格以上に買い上がっていく現象ですが、この非合理的な投資行動を伝統的な経済学では上手く説明できません。

これに対して行動経済学は、伝統的な経済学における「人間は合理的に行動する」という前提を否定し、現実的な意思決定理論として「人間は必ずしも合理的に行動するわけではない」ことに着目した理論なのです。

同じ1万円なのに、価値が違う?

上記でお伝えした行動経済学は、理論で考えると難しい話にも思えますが、日常生活でも行動経済学を利用している側面はあります。

例えば、家計を考えた時に通信費や交通費が1万円を超えるようなら、少し節約をしなければいけないと考える人もいるのではないでしょうか。一方、憧れの150万円のマイカーや20万円のバッグを購入するなら1万円の差があったとしても、出してもよいと考えるでしょう。

実は、私たちはお金のことを無意識のうちに分けて考えているのです。あるものは生活費、別のものは交際費、ご褒美代などと、お金をさまざまな分類に分けています。いつもは将来のためにと貯蓄をしなければと節約をしているのに、憧れの車を購入したい、仕事で頑張ったご褒美に10万円のバッグを購入したいという理由から、気が大きくなってお金を出してしまいます。こういったことは、旅行など日常の生活とは少し違った場面でも起こる場合があります。

同じ1万円であるにもかかわらず、このように場面に応じて価値が変わる、合理的ではない判断をすることをメンタルアカウンティングといいます。

メンタルアカウンティングに注意し、無駄を減らして資産運用を行うには

メンタルアカウンティングを意識しなければ、上記のように気が大きくなるとどんどん出費が増えてしまうかもしれません。日々の生活の中で無駄遣いを減らして資産運用に回すお金を増やすには、何かを購入したり、サービスを受けるときには本当に自分がそれを欲しいかどうかを落ち着いて考えることが大切です。「購入前に、本当にそれが欲しいかどうかを考える」というのは、合理的な考え方をする一つの要素ともいえるでしょう。

他にも、むやみやたらに大金を持ち歩かない、クレジットカードの利用限度額を身の丈にあった限度額に変えるなど、気が大きくなっても歯止めがきくような方法を考え、無駄な出費を減らすのが肝心です。まずは出費を意識したうえで、余裕資金を作りましょう。そのうえで、資産運用に回すお金を決めましょう。

行動経済学に学び、冷静に資産運用を行う

このように、メンタルアカウンティングの心理状態を冷静に知ることで、自分のお金に対する価値観や現状の分析ができます。これを元にしてお金に対する考え方を確認し、実際にお金を使う側面では冷静に対応することが大切でしょう。これは、投資をする場面でも同様です。利益が出ている時にはついつい気が大きくなり、損をしたら取り返したいと焦る気持ちもあるかもしれませんが、そういったときこそ冷静に、普段の自分ならどうするかを考えて行動するのがよいでしょう。

 
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